- 2015/5月頃シャンプーをしている際右耳の後ろに腫れがあるのに気付く。触っても痛みなどは全く無し
- 2015/6/5近所の耳鼻科受診
精密検査をすすめられ、地域の総合病院Aを紹介される - 2015/6/15総合病院A初診
採血・採尿検査、超音波エコー検査を受ける - 2015/6/18総合病院Aで唾液シンチとCT検査
- 2015/6/29総合病院Aで【耳下腺腫瘍】の診断を受ける
- 2015/7/13手術を受ける(総合病院Aとは別の)大学病院で初診
針生検受ける - 2015/7/30大学病院でMRI検査
- 2015/8/1大学病院でMRI検査の結果と切除手術について説明を受ける
- 2015/9/17手術のため入院(初日)
- 2015/9/18全身麻酔下で【耳下腺腫瘍切除手術】を受ける
- 2015/9/22退院
- 2015/10/7手術後初外来
確定診断の結果がわかるはずだったがまだ出ていなかった - 2015/10/21手術後二度目の外来
確定診断の結果→【耳下腺腫瘍】(良性の多形腺種)と説明を受ける
耳下腺腫瘍とは
耳下腺とはおたふく風邪で腫れる唾液を作る臓器の一つで、左右の耳の前方に位置します。耳下腺内には顔面神経が走行しており、顔面神経の外側を浅葉、内側を深葉と呼んでいます。耳下腺腫瘍は腫瘍全体からみれば3%前後で、発生頻度も10万人に1~3人といわれています。耳下腺腫瘍の中で約80%程が良性とされ、良性腫瘍の中でも多型腺腫が70~80%を占め、他に腺リンパ腫(ワルチン腫瘍)、血管腫、脂肪腫などを認めることもあります。
良性の耳下腺腫瘍は一般にゆっくりと増殖するため腫瘤を触れる以外は無症状のことが多く、数ヶ月から数年の経過で耳前部にピンポン玉様の腫瘤に気付き病院を受診することも少なくありません。
検査としては超音波検査、唾液腺造影、CT、MRI、RIシンチグラムなどがあげられ、腫瘍の形、大きさ、部位などから診断しますが、最終的に良性か悪性の判断、組織型は手術で採れた腫瘍を組織検査に出し確定診断を行います。
日本形成外科学会
↑日本形成外科学会様のサイトより
病院でもこのコピペを渡されました
治療方法は?
結果的に3人の先生に診ていただきましたが、皆さん
「第一選択は“手術”です。」とおっしゃいました。まぁネットにもそう書いてあったけど・・・
入院して全身麻酔の手術なんて大変そうだし、痛みとか違和感とかまったくないしこのまま様子見ではダメでしょうか?
5年後10年後も全く変化しない可能性もあるけど、悪性に変化することや腫瘍が急激に大きくなって神経を圧迫することも無いとは言えない。それと【耳下腺腫瘍】の厄介なところは現時点(手術前)の検査でほぼ良性と思われていても実際に手術で切除した腫瘍を調べたら“悪性”だったというケースも無いとは言えないよ
ということで“手術一択”なのです
診断されるまでに受けた検査
これらの検査の中で一番馴染みがないのが唾液分泌機能検査(唾液腺シンチグラフィー)だと思います
唾液腺シンチグラフィーとは唾液腺(耳下腺、顎下線)の機能を画像によって診断する検査です。テクネシウム(99mTc)というラジオアイソトープ(RI:放射性同位元素)を静脈注射します。RIとは同位元素のうち放射線を出すもののことで、放射性医薬品とも呼ばれます。テクネシウムは血液内から速やかに消失し、唾液腺、甲状腺、胃粘膜に集積します。テクネシウム集積後に口の中にクエン酸などの唾液分泌刺激物を投与し、唾液とともに排泄されます。この注射直後から排泄までの経過を高感度カメラで連続的に撮像し、唾液腺の機能を測定します。
↑Keio University様のサイトから引用させていただきました
実際に受けた感想として
「痛い」とか「気持ち悪くなる」とかは全くない検査ですのでご安心を。
検査の途中で、どうみてもポッカ100レモンを技師さんから口の中へ投与されるのですが、これがかなりの量(ほぼ一本???)なのでびっくりします。それを口の中でブクブクした後のみ込みます。これによって唾液が正常に分泌されるか調べる検査らしいです。
余談ですがポッカ100レモン地獄の後に「お口直しです」と言って吸飲みみたいな物で水を飲ませてもらいました。「水ってこんなに甘いんだ!」とちょっと感動しました。
【耳下腺腫瘍切除手術】を受ける病院探し
唾液分泌機能検査(唾液腺シンチグラフィー)等の検査を受けた総合病院Aで【耳下腺腫瘍】の診断を受けて次は切除するための手術の話となります
入院手術になるとの事ですが、そちら(総合病院A)で受けることは出来ますか?
出来ますが、症例は少ないです。どうしますか・・・・・
これってどう考えてもやりたくなさそうじゃないですか?
一旦帰宅してひたすら“ネット検索”です。
1週間程度ですが入院をするのであまり遠くには行けない。私は神奈川県在住の為範囲としては神奈川・東京です。その中で【耳下腺腫瘍】の手術症例数が多い病院をピックアップ
やはり東京23区内の有名大学病院が中心ですね
そんな中で神奈川県内(自宅からそう遠くない所)で症例数が多い大学病院を発見!
後日検査結果を聞きに総合病院Aを受診した際、先生に
「手術を受ける病院ですが、○○大学病院がいいかなと思っているのですが・・・・」と言うやいなや「○○大学病院ですね!直ぐに紹介状を書きましょう!」って
完全に某居酒屋の「よろこんでー!」のテンションですよね。そんな感じで手術を受ける病院が決まりました。
いよいよ手術
手術を受ける大学病院でも色々検査をしました。総合病院Aで貸出してくれた検査を記録したメディアを提出したのですが、機器が違うとか何とかで再生すら出来ず・・・
↑
これって結構あるみたいですよ。結局検査し直したりするので再度費用も掛かります。セカンドオピニオンとかされる際は「そういうこと(二重に検査)もある」と思っておいた方がいいかもしれません。
申し遅れましたが私が受診した診療科は“頭頸部外科(とうけいぶげか)”です。耳鼻咽喉科の先生が担っている診療科だそうです。
それと重要なことが・・・
手術前に上記のようなリスク説明を受けていたので不安でした。
手術にかかる時間は当初2時間程度とされていました。しかし私の場合、MRI検査では腫瘍が神経を巻き込んだりしていないと思われていましたが、実際は腫瘍が小さな神経を巻き込んでいてそれごと切り取るよりない状況になりどうしたものかと教授(?)の先生も加わって思案したため時間がかかったとのことでした
↑以上は手術後に聞いた話です。
この状況だと麻痺が残る大変なケースだったのかもしれないのですが、結果は大丈夫でした。
手術後のメモです。顔は多少こわばっていましたが痛みもなく心配していた麻痺もさほどありませんでした。先生も「ホッとした~」と。もし麻痺が残り、額の筋肉を動かす機能が失われてしまった場合は後日、形成外科で額を引き上げる等の手術なども考えていたとおっしゃっていました。【耳下腺腫瘍】は形状を壊すことなく切除することが必須となるため、神経の1本は犠牲にせざるを得ない状況だったということですね。2022年現在も麻痺はなく顔面の動きに問題は起きていないのでこの神経が何だったのかは謎のままです
もう一つ重要なことが・・・
切除した腫瘍は手術中に“術中迅速病理診断”をして悪性か否か等検査をします。
私の場合「良性」でした。
しかし!これでめでたしめでたしといかないのが【耳下腺腫瘍】の厄介なところです
腫瘍によってはこの診断で良性なら99%良性だけど【耳下腺腫瘍】は今後切り取った腫瘍すべてを細かくスライスしてその全てに悪性細胞が無いか調べる必要があるので確定には1週間以上の時間がかかるのです。よって後日の外来受診時まで最終結果は分からないので一抹の不安を残したままの退院となりました。(手術箇所には痛みも麻痺もなく体は元気でした!)
退院後の外来
退院から約2週間後大学病院の外来へ
切除した【耳下腺腫瘍】の病理検査結果が聞けるはずでしたが、
まさかの「まだ結果が届いていません」でした。がっかり・・・まぁそれはいいんですが、「こんなに時間がかかっているのは悪性だからではないか???」という妄想にも近い不安な気持ちが大きくなってしまってそれがとても辛かったです。(冷静に考えればシルバーウィークが間にあったりして検査が混んでたと考える方が自然なんですが)
前回からさらに2週間後、外来へ
やっと結果が聞けました。
「組織細胞の検査でも【耳下腺腫瘍】(良性の多形腺種)で間違いありませんでした」
これで一先ず終了です。(これ以降は1ヶ月半後に経過の確認で受診しました)
ひと言
10万人に1~3人しか発生しないと言われる【耳下腺腫瘍】ですが、近隣の耳鼻科・総合病院・大学病院とスムーズに繋がり完治出来たことはすごく恵まれていたと思います。それぞれの先生方にはとても感謝しています。
珍しい病気故この記事は多くの方のお役には立たないと思いますが一部の方にだけでも参考にしていただければ幸いです。
ご質問などがありましたらお問合せフォームからお気軽にどうぞ!
ただ、私は医療関係者でも何でもないので専門的なことは分かりません。
そこはゴメンナサイ
その後の追記はこちら
【フリー素材ずーあん】の“美容と健康”カテゴリーには医療関係に使えそうな無料素材を
ご用意しています
普段ノートパソコンを持ち歩いたりしないのですが入院中にも仕事をしようと思って
PCを入れるバッグをAmazonで購入しました。実際は全然仕事しませんでしたが。検索も不安が増すだけなので極力控えました。