鶏むね肉を柔らかくて噛みやすくするための切り方
「繊維に垂直に切る!」ってお題目のように唱えていますが鶏むね肉の置き方って気にしてました?
ほとんどのレシピ本でもそうですが自分も当たり前のように皮目を下に置いて切っていました
でも繊維が見えやすい反面かなり歪んでいるのです
騙されたと思ってひっくり返して(皮目を上にして)みてください!そして皮をはがすと見にくいですが
歪みのない繊維の方向が分かります そのまま繊維に垂直にそぎ切りでも輪切りでもお好きなようにカットしてください


ネットやレシピ本では省略されている切り方のポイントを紹介します
鶏むね肉を皮目を下にして置き
青い線のところで3等分にカット
Aのブロックを赤い線のように繊維に対して垂直にそぎ切りする
そぎ切りは斜め45°位に包丁を入れますがAのブロックは厚みがかなり違うので包丁を入れる角度を変えて切ると出来上がりの大きさが揃います
厚い部分はほぼ輪切りです
Bのブロックも同様で赤い線のように繊維に垂直にカット

問題はCのブロックです
繊維が入り組んでいて分かり辛い上身が少なく筋も多いので切り方によっては
バラバラになることがあります
そこでCのブロックは最初に3等分にカットした切断面が上になるように仰向けに置いて繊維の方向を確認
向きを変えると身が少ない方はほぼ直線になっているので繊維に対して垂直にそぎ切り
(身が薄いのでほぼ輪切り)
残りの部分は筋が入っているので取り除いて繊維に対して垂直にカット

“繊維に垂直”としつこく言ってしまいましたが絶対に90°の直角でなければ
いけないわけではありません
要は繊維を断ち切れば柔らかくて噛みやすくなるということです
例えるなら“ホタテの貝柱”のような構造でしょうか

繊維に垂直とは逆に、繊維に沿ってカットする方法もあります
まず、観音開きにして厚さを均等に(薄く)してから繊維に沿ってカットします
繊維に沿って切った鶏むね肉はパサパサ感のない“プリプリした食感”になります
「woody breast ウッディブレスト」をご存じですか?

切り方に工夫してもどうやってもダメな場合ってありませんか?
焼きすぎて固いとかパサパサするのとはまた違う、“ゴリゴリ”とか“ジャキジャキ”という完全に別物の嫌な食感・・・
それは「ウッディブレスト」を購入した可能性があります
日本語でいうと「木のような胸肉」
ウッディブレストは、世界で販売される骨なし胸肉の5~10%に発生しているとされ、特に年齢の高くて重量が大きい鶏で多いとされている。人間の健康への悪影響はないとは言え、噛みにくい肉ゆえに、格安での処分販売やソーセージなど加工用での販売を余儀なくされ、畜産企業の収益にはマイナスとなる。

購入時こういう鶏胸肉を避けるポイント
- 小さめの胸肉を選ぶ
- 胸肉の厚い部分に白い筋が見えていないものを選ぶ

過去2回くらいこの「ウッディブレスト」に当たったことがあります
当たったといっても健康被害が出た訳では無いのでご安心を!
振り返ってみると「大きくてお得~」と欲張ってひと際大きいサイズの胸肉を
購入した時だった気がします